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バックプレートとは?

バックプレートとは、額装の際に作品の背面に設置される板状の素材のことを指します。この素材は、作品を支え、額縁内での固定を助けるとともに、外部からの衝撃や湿気、ほこりから作品を保護する役割を果たします。バックプレートは、額装の耐久性と保護機能を高めるために重要な要素です。

バックプレートの概要と役割

バックプレートは、額装の中で作品の背面に設置される硬い板状の素材であり、主に作品を安定して固定するために使用されます。通常、作品をフレーム内に固定するためには、前面のガラスやアクリル板、そして背面のバックプレートが必要です。バックプレートは、これらの部材を一緒に圧着することで、作品が額縁内で動かず、安全に保護されることを保証します。

バックプレートのもう一つの役割は、作品を外部の影響から保護することです。額装された作品は、展示環境によってさまざまなリスクにさらされます。例えば、湿気、温度変化、ほこり、物理的な衝撃などが考えられます。バックプレートは、これらの要因から作品を守り、長期間にわたって作品の状態を維持するための重要な役割を果たします。

バックプレートの歴史と由来

バックプレートの概念は、額装の歴史とともに発展してきました。初期の額装では、作品を保護するための手段は限られており、背面の保護は主に布や紙によって行われていました。しかし、額装技術の進化に伴い、より耐久性のある素材が求められるようになり、木材や厚紙、さらにはプラスチックや金属など、さまざまな素材がバックプレートとして使用されるようになりました。

特に19世紀以降、額装の技術が高度化する中で、バックプレートは額装の必須要素として確立されました。この時期には、博物館やギャラリーが増え、貴重な芸術作品の保護がますます重要視されるようになりました。これにより、バックプレートには作品を外部からのダメージから守る役割が期待され、現代の額装においてもその重要性は変わっていません。

バックプレートの実際の使用方法

バックプレートは、額装の最終段階で作品の背面に取り付けられます。一般的には、フレームの内側に作品をセットし、その背面にバックプレートを配置して固定します。この際、バックプレートはガラスやアクリル板と密着させるように取り付けられ、作品がしっかりとフレーム内に固定されるようにします。

使用される素材は、作品や展示環境によって異なります。紙や布の作品には、酸を含まない中性紙や厚紙がよく使われ、湿気や温度変化に強い特性を持つプラスチック板やアルミ板が選ばれることもあります。また、バックプレートの厚さや重量は、作品のサイズやフレームのデザインによって調整され、作品を最適な状態で保護できるように工夫されます。

バックプレートの重要性

バックプレートは、額装において欠かせない要素であり、作品の保護と安定性を確保するために不可欠です。バックプレートが適切に選ばれ、取り付けられていることで、作品は長期間にわたってその美しさと状態を維持することができます。特に、高温多湿な環境や頻繁に移動する展示会場などでは、バックプレートの質が作品の保存状態に大きく影響を与えます。

さらに、バックプレートは作品の物理的な保護だけでなく、視覚的な安定感をも提供します。作品がフレーム内でしっかりと固定されることで、額装全体がバランス良く見えるようになり、展示空間全体の美観を高めます。これは、特に大きな作品や複雑な構成のフレームにおいて重要なポイントです。

まとめ

バックプレートとは、額装において作品の背面に設置される板状の素材であり、作品を支え、固定し、外部からの影響から保護する役割を果たします。その歴史は額装技術の進化とともに発展してきました。バックプレートの適切な使用は、作品の長期保存と展示の安定性を確保するために不可欠です。現代の額装においても、バックプレートは作品の美しさと安全性を守るための重要な要素として認識されています。



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