カートンボードとは?

カートンボードとは?
カートンボード(かーとんぼーど、Carton Board、Carton)とは、厚手の紙や段ボール素材で作られた板のことで、額装において作品を裏打ちし、保護するために使用されます。カートンボードは、額縁の背面に配置され、作品がしっかりと固定されるようにする役割を果たし、さらに外部からの衝撃や湿気から作品を保護する役割も担います。
カートンボードの概要と役割
カートンボードは、額装の際に作品を裏打ちし、固定するために使用される厚手の紙製または段ボール製のボードです。額装では、作品をフレーム内で安全に保つために、前面にガラスやアクリル板、背面にカートンボードが配置されます。カートンボードは、作品をしっかりとフレーム内に固定し、外部からの衝撃を吸収することで作品の保護に寄与します。
カートンボードはまた、額装の全体的な安定性を確保するために重要です。フレーム内で作品が動かないようにすることで、作品の位置がずれることなく、美しく展示されることが保証されます。さらに、カートンボードは作品とフレームの間に適切な厚みを持たせるためにも使用され、作品がガラスやアクリル板に直接接触しないようにすることで、作品の劣化を防ぎます。
カートンボードの歴史と由来
カートンボードの使用は、紙やボール紙の製造技術が発展した19世紀頃に始まりました。以前は、木製や金属製の板が額装の裏打ちとして使用されていましたが、これらは重く、取り扱いが難しいという問題がありました。工業化が進む中で、より軽量で加工が容易な紙製のボードが開発され、これがカートンボードとして額装に広く用いられるようになりました。
20世紀に入ると、紙の生産技術がさらに進化し、さまざまな種類のカートンボードが登場しました。特に、酸を含まない中性紙で作られたカートンボードは、作品を長期間にわたって保存するための理想的な素材として評価されるようになりました。これにより、カートンボードは、現代の額装において標準的な裏打ち素材として広く使用されています。
カートンボードの実際の使用方法
カートンボードは、額装の際に作品をフレーム内で安定させるために使用されます。まず、作品をマットやパスパルトゥの中にセットし、その背面にカートンボードを配置します。カートンボードは、作品がフレーム内で動かないようにしっかりと固定されるように調整されます。その後、フレーム全体が組み立てられ、カートンボードはフレームの裏側を支える役割を果たします。
カートンボードは、作品の種類や展示環境に応じて選ばれます。例えば、湿気や温度変化に敏感な作品には、酸を含まない中性紙で作られたカートンボードが推奨されます。また、より頑丈な固定が必要な場合には、厚みのある段ボール製のボードが使用されることもあります。さらに、展示環境によっては、防湿加工が施されたカートンボードが選ばれることもあります。
カートンボードの重要性
カートンボードは、作品を保護し、額装全体の安定性を確保するために非常に重要です。適切なカートンボードを選ぶことで、作品は長期間にわたってその美しさと状態を保つことができます。特に、カートンボードが作品をしっかりと固定し、ガラスやアクリル板との接触を防ぐことで、作品の劣化や損傷のリスクを大幅に減少させます。
また、カートンボードは、額装の仕上がりにも影響を与えます。厚みや質感が適切に選ばれたカートンボードは、額装全体の見た目を引き立て、展示空間における作品の存在感を高めます。逆に、適切でないカートンボードの使用は、作品の保護が不十分になるだけでなく、額装の美観を損なう可能性もあります。
まとめ
カートンボードとは、額装において作品を裏打ちし、固定するために使用される厚手の紙製または段ボール製のボードです。その歴史は19世紀に遡り、現代では酸を含まない中性紙や段ボールなど、さまざまな種類のカートンボードが利用されています。カートンボードは、作品を保護し、額装の安定性を確保するために不可欠な要素であり、適切な選択が作品の美しさと保存状態に大きく影響します。