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圧力センシティブとは?

圧力センシティブ(あつりょくせんしてぃぶ、Pressure Sensitive、Sensible à la pression)とは、接触した際に圧力をかけることで粘着性を発揮する素材やテープのことを指します。額装においては、作品を固定したり、マットやフレームに貼り付けたりする際に使用されます。圧力センシティブ素材は、簡便で効率的な接着方法として広く利用されており、作品の保護と展示の安定性を向上させる役割を果たします。

圧力センシティブの概要と役割

圧力センシティブとは、圧力をかけることで粘着性が発生し、物を貼り付けることができる素材やテープの総称です。この技術は、額装において多目的に使用され、特に作品の固定や、マットやフレームの接着に用いられます。圧力センシティブの最大の特徴は、圧力をかけるだけで接着が可能なため、接着作業が簡便であり、また乾燥時間や硬化時間が不要なことです。

額装における圧力センシティブ素材は、作品を安全に保護しながら、効率的に展示できるようにするために重要です。たとえば、作品の背面に圧力センシティブテープを使用してフレームに固定することで、作品が移動したり、ズレたりすることを防ぎます。また、圧力センシティブテープは、マットやガラスと作品の間にしっかりとした接着を提供し、作品がフレーム内で安定して保たれるようにします。

圧力センシティブの歴史と由来

圧力センシティブ技術の起源は、20世紀初頭に遡ります。1900年代初頭、最初の粘着テープが登場し、その後、さまざまな圧力センシティブ素材が開発されました。特に、セルローステープやビニールテープが商業的に成功し、多くの用途で使用されるようになりました。額装業界でも、これらの技術は作品の固定や保護に適した手軽な方法として採用され始めました。

1970年代以降、圧力センシティブ技術はさらに進化し、より多様な素材が登場しました。これにより、額装においても用途が広がり、特に高品質な保存を求められる美術作品の額装において重要な役割を果たすようになりました。現代では、アーカイバルグレード(保存用)の圧力センシティブテープやシートが開発され、これらは作品にダメージを与えず、長期間にわたって作品を固定するための信頼性の高い素材として評価されています。

圧力センシティブの実際の使用方法

額装における圧力センシティブの使用方法は多岐にわたります。最も一般的な使用例は、作品の背面に圧力センシティブテープを使用してフレーム内に固定する方法です。これは、作品を確実にフレーム内に保持し、展示中の移動や振動によるズレを防ぎます。また、作品がフレームやガラスに直接触れないようにするためのバリアとしても使用されます。

他にも、圧力センシティブ素材はマットの取り付けにも使われます。マットと作品の接合部に圧力センシティブテープを使用することで、マットが作品をしっかりと保持し、安定した額装を実現します。このテープは、簡単に貼り付けることができ、不要な場合には剥がすことも可能です。ただし、剥がす際には慎重に行う必要があり、特に古い作品やデリケートな素材の場合は、アーカイバルグレードの製品を使用することが推奨されます。

圧力センシティブの重要性

圧力センシティブ技術は、額装において作品の保護と安定性を確保するために非常に重要です。圧力をかけるだけで簡単に接着できるため、額装のプロセスが効率化され、時間と労力を節約できます。また、作品の固定が確実に行われることで、展示中に作品が動いたり、ダメージを受けたりするリスクを最小限に抑えられます。

さらに、圧力センシティブ素材は、作品を保存するための重要なツールとしても機能します。アーカイバルグレードの製品を使用することで、作品が酸や他の有害物質にさらされるリスクを軽減し、長期間にわたってその美しさを保つことができます。このように、圧力センシティブ技術は、額装の品質と安全性を向上させるために不可欠な要素です。

まとめ

圧力センシティブとは、圧力をかけることで粘着性が発生する素材やテープを指し、額装においては作品の固定やマットの取り付けに広く使用されます。その歴史は20世紀初頭に遡り、現代では保存性に優れたアーカイバルグレードの製品も登場しています。圧力センシティブ技術は、額装の効率化と作品の保護を実現するために不可欠であり、品質と安全性を高めるための重要な役割を果たしています。



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