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ドライマウントとは?

ドライマウント(どらいまうんと、Dry Mount)は、額装において写真やアート作品をマウントボードに固定するための技法の一つです。この技法は、接着剤を使用せずに高温と圧力を用いて作品をボードに貼り付ける方法です。ドライマウントは、作品を平滑に保ち、長期保存を可能にするために広く利用されています。

ドライマウントの基本構造

ドライマウントには、ヒートプレス機とドライマウントティッシュ(特殊な乾燥接着シート)が使用されます。まず、作品とマウントボードの間にドライマウントティッシュを挟みます。その後、ヒートプレス機で高温と圧力を加えることで、ティッシュが溶け、作品とボードが一体化します。このプロセスにより、接着剤を使用することなく、作品がしっかりと固定されます。

ドライマウントの技法は、写真、ポスター、軽量のアート作品など、さまざまな種類の作品に適用できます。特に波打ちやしわが気になる作品に対して有効です。ドライマウントを施すことで、作品は平滑で美しい状態を保つことができます。

ドライマウントの役割と重要性

ドライマウントの主な役割は、作品を平滑に保ち、展示や保存に適した状態にすることです。接着剤を使用しないため、作品にダメージを与えるリスクが少なく、作品の質感や色彩を損なうことなく固定できます。また、高温と圧力を用いることで、作品がボードにしっかりと密着し、波打ちやしわを防ぐことができます。

さらに、ドライマウントは長期保存にも適しており、アシッドフリーのマウントボードを使用することで、作品の劣化を防ぎます。この技法は、アーカイバル品質の保存を求める美術館やギャラリー、コレクターにとって重要です。

ドライマウントを使用する際には、適切な温度と圧力の設定が重要です。過度な温度や圧力は作品にダメージを与える可能性があるため、注意が必要です。また、一度ドライマウントされた作品は再度剥がすことが難しいため、慎重な判断が求められます。

総じて、ドライマウントは作品の美しさと保存状態を最適に保つための有効な技法です。適切な機器と材料を使用し、専門知識を持った技術者によって施されることで、作品の価値を最大限に引き出すことができます。



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